――― Marky on the WEB
2004/6/14
家電のゆくすえ、人のゆくすえ

今日、久しぶりに家電量販店を訪れると、みなれない家電があった。
へんなイスのような、マッサージ機のような。いったいこれは何だろう?

販売員さんに「これは何ですか?」と聞くと、「乗馬です」ときっぱり答えるではないか。
「へ? 乗馬、ですか・・・?」
「はい、乗馬です。」
よくみると、足をかける「あぶみ」もついている。馬の頭と4本の足こそないものの、まさに胴体のみある馬のカタチだ。なんでも、このマシンに1日15分も乗ると、腹筋、背筋、大腿筋などが鍛えられるそうな。

「運動不足の方には最適ですね ^^。」とかって説明してもらうのを聞きながら、むーんと考えた。

 いったい誰がこんなものを考えたのだろう?
 いったいどんな人が、1台10万円もする疑似乗馬体験マシンを買うのだろうか?
 本当の乗馬好きの人は満足するんだろうか?
 そもそも、この家電は、本当に必要なんだろうか?


そんなこんなを考えていると、別の売り場にエコロジーコーナーというのがあった。

よく見ると生ごみ分解機(電気コンポスト)のコーナーらしい。
知らなかったけど電気コンポストは値段がむちゃくちゃ高い。1台7万円とか8万円とかする。
生ごみを土に返すためにどうしてこんなにお金をかけ、エネルギーをかけようとするんだろうかと、不思議に思った。

電気屋の売り場を歩くと、くつ専用乾燥機もあれば、冷風がでる扇風機もあり、缶ジュースを30秒で冷却できるマシンがあり、足のむくみをとるための専用マッサージ機があった。
これからは、どんな家電が出てくるんだろう?


日本のエネルギー消費量は、世界でもトップクラス。他の国に比べて数倍も、時には数十倍も電気を使っている。限られた資源である石油や天然ガスを輸入し、原子力発電所をどんどんつくろうとしている。

その電気エネルギーを、いったい何につかっているんだろうか?

日本は、97年の国際会議で地球温暖化ガスを削減しようと世界に約束したが、その約束は守れそうになく、むしろ増えている。

そりゃあ当然かもしれない。こんなに家電を増やして、車を増やしていたら。
車の台数は、ここ10年で25%も増加しているし、この10年間で、新しい家電はどんどん普及していっている。そういえば、MDも、デジカメも、パソコンも、食器洗い乾燥機も、10年前にはほとんど家庭にはなかった家電だ。それが今や、あたりまえになりつつある。


これからもっと家電が開発され、普及していったら、人間はどういう風になっていくんだろうか?
家事はどんどん楽になり、食や娯楽の追求は進み、肥満解消のための機械や健康維持のための家電はどんどん増えてゆく。

そんなことをおしすすめて、僕たちはこれからどこに向かってゆくのだろうか? 
というのを家電の視点から考えた日でした。

「足るを知る人類」でありたいと、思います。
これがなかなか難しいのだけれど。