――― Marky on the WEB
青木将幸ファシリテーター事務所

2008/06/09
パパトーク

父親になって1年半が経ちます。

初めての子育てはいろいろ戸惑うことばかり。

ふと気がつくと、母親たちは近所のママさんや、子育てサークルや児童館などで色々と情報共有をし、悩みを話し合っているのに、父親同士では、なかなか子育てにまつわる悩みなど、話せる機会がないなぁと思っていました。

そういう機会がないなぁと思ったら、愚痴ってないで、つくってしまおう!

ということで、先輩パパの龍玄といっしょに「パパトーク」というタイトルで、父親同士で語り合うワークショップをやろう!ということになり、6月8日(日)に開催してきました。

参加したパパは合計7名。お互いのことはほとんど知らない間柄で、子育てに関して思うことを語り合いました。

今回のワークの特徴としては以下の3点かと思います

●1:女人禁制

というと大相撲の土俵のような感じですが、女性がいるといないとでは、話題の「質」が決定的に変わってゆくだろうとヨミから、パパのみで話す、という状態にしました。

もちろん記録スタッフも録音機もない状態。

子連れ、ママ連れで参加の方もいたし、うちの事務局スタッフ2名も女性だったのですが、11時の集合時間以降は、(大変恐縮ながら)ご退出いただいて、あっちこっち散歩や、近所のプレーパーク見学に出かけてもらいました。そっちはそっちで楽しかったようです。

●2:ルールは2つ

短い時間とともに過ごす仲間として、2つのルールをお願いしたいと冒頭に伝えました。

 お願い1:腹を割って話そう(できる範囲で)

 お願い2:他言無用(ものによっては)

です。どうしても「男」というのは、自分自身の内面のことや、悩み、ゆらぎを話す前に「アメリカではこうしているらしい」とか「最近の若者はどう思ってるんだろうねぇ」という事例やタテマエやその場にいない人の話をしてしまう傾向があります。そうじゃなくて、本音の、生のトークをしあいたいと思っていたのでひとつめのお願い。企画者の2人も進行役に徹するのではなく、思っていることを話したいという気持ちも込めての開催でした。

2つめのお願い「他言無用」は結構重要なルールだと思います。ヒトが周りの人を信じて自分の悩みを語った後で、それがあっちこっちで言いふらされたとしたら、けっこう傷つくものです。今回話し合った具体的な悩みについては、誰にも言わないということを約束しあいました。

●3:非構成

最近はまっているのが、非構成的なワークショップ、です。

通常、ワークショップというのはねらいがあって、話し合うテーマがあって、適切な問いかけがあって、話しあいやすいようにKJ法やら、ワールドカフェやらといった手法を組みこんで作られる(構成される)ことが多いものです。僕もこれまで構成的なワークショップをやってきたわけですが、ふとした出会いで非構成的なワークショップを体験し、そちらの魅力を味わいつつあります。

あらかじめ話し合うテーマを決めない。話し合いの手法をあれこれ画策しない。どう進んでゆくかはその場の参加者によってつくりあげられてゆく。。。

パパトークと銘打っているで、半分ぐらいはテーマは決まっているようなものですが、なるだけ非構成に近い進め方で望みました。話し合いたいと思ったことを、思ったときに話す。先は読めないけど、なかなか面白い時間でした。

 

【やってみての感想】

やって良かったなぁというのが率直な感想。

いろんなパパの葛藤、とまどい、考え方を共有することができました。先輩パパから学ぶことも、同じような年齢の子どもを持つパパの悩みから触発されることもあります。

僕自身としては、パパかどうかはさておき、人間として、どう生きていたいのか。自分の人生を自分なりに、「しっくり」くるものにするのか、ということを考えました。

なんというか、「よしやろう!」という気持ちになって、僕はワークショップの終わりを迎えました。

いつも思うことですが、やっぱり場作りは大事だな、と。

よく利用させてもらうオリンピックセンターのお部屋ですが、龍玄が少しライトを調整し、カーテンなどを使ったおかげで、だいぶん違う質の空間になりました。

なんと言うか、ゆったり話しやすい感じ。こういうセンスは僕も磨いて行きたいです。

場作りといえばルールのことも。「他言無用」のルールは大事だなぁとつくづく感じました。

腹を割って話そう、というルールは、掲げはしたけども、初めて同士の間柄で、そう簡単にはいかないことも。そういう時は、僕自身が腹を割って話していたり、いち参加者として「もっとナマな話をしようよ」って関わることもありなんだなぁと思いました。ルールは紙に書いたから伝わるものというわけでもない。その場で体現されてこそ、です。

 

【公開反省会 アフタートーク】

公開反省会というと堅いですが、初めてトライしたワークショップのあとは、スタッフのみで反省会をするのではなく、反省会の開催を参加者にも公開して、希望する参加者もまじえて「やってみて、どうだったー?」というのを話し合ったりすることがあります。

別名アフタートーク。コーヒーを飲んだり、パフェを食べながらのおしゃべりです。

今回は11時から15時半まで退場してもらっていたママや子どもたちとも一緒にテーブルを囲んで、「どんなことをやったのか」「やってみての感想」「今後のアイデア」などを話し合いました。

スッキリしたひと、もやもやしているひと、それぞれの感想が話されました。

非構成でテーマを決めずにやったけど、この時間なら、少しテーマを決めて話してもいいのではという、進め方の提案や、1回では足りないので3回連続でするなど、同じメンバーで深め合ってゆきたいという話もありました。

実はママ同士も、子育て情報の交換はしているものの、そんなに深いことを話し合えているとは限らないという話も。

まる1日のイベントで、午前はパパトーク、午後はママトークにして、交代で子どもを見てもいいんじゃないかとか、ジジトーク、ババトークも面白そうとかというアイデアも出ました。僕自身は自分の人生のステージごとに、自分に必要な場をつくっていこうかな、と思っています。

なんともかんとも。やってみて良かったです。

また企画してみようと思います。

このWEBをごらんの全国各地のみなさんも、よかったらパパトーク、試してみてください。味わい深いですよ。